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なぜ人は港区のタワマンに住みたがる?麻布競馬場『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』

こんばんは、人事の高橋です。

先日「U-NEXT」で配信中の『The Last of Us』(ザ・ラスト・オブ・アス)をご紹介しましたが、「U-NEXT」では毎月1日に自動で1,200円分のポイントが付与され、ポイントを利用し 書籍や漫画も購入数することができます。

先日紹介されておもしろかった作品が、昨年Twitterで大きな反響を呼んで話題となっていた短編ストーリー集『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』

『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』
1,386円なのでぎりぎりポイントは足りませんでしたが…

読んだことはなくても、タイトルだけは聞いたことある人もいるのではないでしょうか。

有名大学を出て、大企業に就職し、東京でキラキラ?ギラギラ?した生活を送り、東京に憧れを持って出てきた人々の葛藤や挫折が描かれている短編集。

物語はどれも決してハッピーエンドではないので読み終えた時に虚無に近い感覚を感じますが、東京で生きる人々の「幸せや価値観」について改めて考えさせられる作品集となっています。

『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』

麻布競馬場とは何者か

Twitterにツリー形式(複数のツイートをつなげて読める投稿形式)で小説を投稿する匿名アカウントとしてデビューした覆面小説家・麻布競馬場

1991年生まれ、慶応大学卒業の港区住みという情報以外は公開されていませんが、『タワマン文学者』という令和の新しい文学を生み出した小説家です。

note(ノート)
麻布競馬場|note 1991年生まれ

「競馬の馬のように決まったコースを走らされている東京に生きる人についての皮肉を名前にした」と小説家としての名前の由来を話している麻布競馬場さんは、現代人の生き方を描く作品の火付け役とも言われています。

これまでのツイートや記事の中から特に評価の良かった作品を選定して20の作品を一冊にまとめ、集英社から昨年9月に初出版となる『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』を発売しました。

虚無と諦念のショートストーリー集

『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』
Amazonより

『この部屋から東京タワーは永遠に見えない』は20の短編ストーリー集ですが、どれもハッピーエンドとは決してないにもかかわらず、なぜかその文章に引き寄せられます。

3年4組のみんな、高校卒業おめでとう。最後に先生から話をします。大型チェーン店と閉塞感のほかに何もない国道沿いのこの街を捨てて東京に出て、早稲田大学の教育学部からメーカーに入って、僻地の工場勤務でうつになって、かつて唾を吐きかけたこの街に逃げるように戻ってきた先生の、あまりに惨めな人生の話をします。

「3年4組のみんなへ」

『30までお互い独身だったら結婚しよw』。三田のさくら水産での何てことのない飲み会で彼が言ったその言葉は、勢いで入れたタトゥーみたいに、恥ずかしいことに今でも私の心にへばりついています。今日は、彼と、彼の奥さんと、二人の3歳の娘の新居である流山おおたかの森に向かっています。

「30まで独身だったら結婚しよ」

「タワマン」「港区女子」「東カレ」「オンラインサロン」、著者の麻布競馬場さんとは同世代ということもあり、小説内にでてくるキーワードは普段からよく耳にする言葉たち。

 年代が近いこと、そして小説に出てくる主人公たちと同じ時を東京という街で生きてきた私にとって文化風俗の描写がとても面白いと感じました。

東京の人々に限らず、人々は皆心では悲しみを抱えて生きているのかもしれないし、幸せの価値観は人それぞれだから、なにかのステータスに縛られずに生きていきたいと改めて思う作品です。

なぜ人は港区のタワマンに住みたがるのか

小説に出てくる主人公たちは東京というステータスに強く憧れ、良い意味でも悪い意味でも東京に感化されて生きています。

タワマンに憧れる感覚にも似ているのではないでしょうか。

トレンドやカルチャーの最先端にいることで、自分が特別だと感じてしまう経験は誰にでもありますよね。

スマホが普及しSNSとの距離も近くなり、どうしてもSNSで自分と他人を比べてしまう世の中になってしまっていますが、幸せの物差しはそもそも他人と比較すべきものではなく自分で決めるものです。

ちなみに私はタワマンへの憧れはないですが、何歳になってもキラキラ輝く東京タワーや美味しいお店がたくさん揃っていて大好きな人たちがいる東京が大好きなのでこれから先もずっとこの街で揉まれながら過ごしていきます😊🗼笑

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